バレエ専門リハビリメール
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小田切病院 バレエ ダンス専門リハビリ Vol.57 ━━━ 2011/12月号 ━━━
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[1] バレエとサッカーと三角骨
[2] バレエと三角骨
*里見悦郎略歴
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バレエ・ダンス障害
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[1] バレエとサッカーと三角骨
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サッカーの人気が高まることによって一つの障害が有名になりました。それが
サッカー選手のかかとに発症する痛みの問題です。小学校の3年生ぐらいから体
育でサッカーを始める少年が増え、中学生になると本格的な練習を始めます。こ
の12歳前後のサッカー少年の間でかかとに痛みを発症させる障害が急速に増加す
るのです。その原因は、足関節を構成する距骨が原因となる障害でした。
この距骨の後部が突出している場合、それを後突起と呼びます。この突起部が
足関節を底屈させた時、すなわち、ボールを蹴ろうとして、爪先を伸ばすことに
よって、距骨の後部突起を脛骨と踵骨によってペンチのように挟み酷い痛みが発
症するのです。この結果、サッカー選手の怪我の治療経験豊富なスポーツ整形外
科医は、踵の後突起が原因で、痛みのある選手の治療法として、後突起を切除す
る外科的治療を行うことが普通と考えられるようになりました。
クラシックバレエでは、トゥシューズを履く女性のかかとにサッカーと同様の
障害が発症します。とりわけ、バレエでは、距骨の後部の突起が、距骨から分離
独立し「三角骨」となり、その三角骨がトゥシューズによるつま先立ち時、踵骨
と脛骨に挟まれ、痛みを発症させるのです。この結果、スポーツ整形外科医の診
察を受けたダンサーは、サッカー選手の障害を治療した経験のある医師の場合、
後突起あるいは三角骨の切除を行うことが唯一の治療法として、外科手術を薦め
られるケースが多いのです。
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[2] バレエと三角骨
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クラシックバレエの場合、三角骨が足関節にあることによって障害を起こす原
因の多くは、トゥシューズによるつま先立ちのテクニックが間違っているケース
が多いことが指摘できます。
特に、つま先立ちをする時、かかとに付着するアキレス腱の元となるヒラメ筋、
腓腹筋を用いてかかとを引き上げ、つま先立ちを行う間違った方法を行った場合、
足関節部の三角骨は踵骨と距骨によってペンチで挟まれるように、圧迫され、酷
い痛みが発症するのです。
このため、正しいつま先立ちのテクニックを学び、それを習得することによって
後突起と三角骨による痛みを和らげ、症状を緩和させることができるケースが多
いのです。
小田切病院には、この後突起と三角骨が原因となる足関節の痛みの治療を受ける
多くのバレエを学ぶ少女が来院します。これらの患者の多くを加圧リハビリと正
しいバレエテクニックの習得により、手術を行うことなくその痛みを緩和し、治
療しています。バレエを学ぶ少女たち、ダンサーにとって手術による治療はでき
るだけ、避けるように努力しています。なぜならば、いったん、身体にメスを入
れることにより、元のように舞台で踊れるまでに1年以上の時間が必要となるか
らです。
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*里見悦郎略歴
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20年以上にわたり大学でクラシックバレエの障害発生メカニズムの研究に従事す
る。認知動作学、動作解剖学、リハビリ工学の専門家として医療系大学・体育系
大学で看護士、トレーナーの育成に携わる。2000年、日本初大学クラシックバレ
エ学科である昭和音楽大学短期大学部バレエコース創設者、元主任助教授として
知られる。2005年7月バレエ障害治療の第一人者故小川正三医師の下、整形外科
医の協力を得てバレエ障害専門診療所「東京バレエクリニック」(東京、府中)
を開設。2007年より小田切病院リハビリテーション科でバレエダンサーの加圧リ
ハビリ治療の指導に参加する。「偉大なるバレエ教師」、「ダンスのメンタルト
レーニング」。「クラシックバレエテクニック」(2007年)、「バランシンテク
ニック」(2007年)の翻訳のほか、バレエ障害関連論文多数を学会に発表してい
る。チャコットカルチャースタジオ、東京バレエクリニックにてバレエ障害講習
会を開催、バレエ・ダンス界に医療知識の普及を努める。武蔵野美術大学講師、
比較舞踊学会理事、教育学博士。
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